蒼穹と漆黒の狭間

あの伝説の歌姫、片霧烈火様の神々しさを、現在讃えん

片霧烈火 名曲#003 アシタのミライ

アシタのミライ

作詞 片霧烈火 作曲・編曲 HIR

 

疾走感あるエレキギターのイントロから幕開けするこの曲、

紛れもなく名曲である

2006年にリリースされた、片霧烈火のCDアルバム「がーるずらいふ」

収録されているナンバーで、このアルバムのイメージを形作る核となっている。

プロローグ的な1曲目のあとの2曲目で、アルバムラスト曲の前の12曲目にも

テンポを落として、アコースティックギターに変えた別バージョンが収録

されている。

このアルバム「がーるずらいふ」は、女子高校生の日常をドラマ仕立てに

した構成となっており、収録されている楽曲は若さ溢れるイキイキとした

ナンバーが占め、みずみずしい青春を感じさせるものとなっている。

なお、このCDが発売された2006年6月28日は、片霧烈火のメジャーデビュー

シングルCD「why,or why not」も同日リリースされており、片霧烈火

彼女のファンにとって記念すべき日となった。

 

この曲のイントロもアルバム全体のコンセプト同様、若さはじけるメロディで

どこかティーンエイジャーを感じさせる。

眩しい光に目を覚ます 今すぐに君に会いに行こう

楽しい思春期の日々を送っている若人が感じられる、朝日の輝きと目覚めて

すぐに会いたい、と思える人がいて会えることが嬉しくてたまらない、みず

みずしい青春ぶり!

ちなみにここの部分の片霧烈火の歌い方も特徴的で、「今すぐに君に」

いう単語を「今すぐ(ここで区切る)に君に」というセンスある、歌詞の

区切り方をしている。

 

部屋に閉じこもっていても始まらない ホラね

すぐそこ待ってる明日の未来

「ホラね」という呼びかけの歌詞にセンスを感じるし、曲名である

「明日の未来」という単語も素敵な響きで素晴らしい!

「すぐそこ待ってる」の歌詞も若者らしいスピード感と、前向きな感じが

して最高だ。

 

足跡狭めて急いでもダメだね

二人いつかは掴める 奇跡の道しるべ!

「奇跡の道しるべ」とか「いつかは掴める」とかの前向きな歌詞が、筆者は

大好きなんだ……。

「足跡狭めて~」のところは、Bメロのリズムに合わせて言葉の韻を踏む

感じで「ダメだね」と語りかける歌詞も良い。

 

ゆらゆら不確かなこの指先を

強く捕まえて離さないでね

サビの部分も先ほどと同じく、メロディのリズムに合わせ韻を踏んでいる。

それにしても歌詞が、女子高校生っぽい純粋さを感じさせて可愛い!

 

答えあわせはもう少しアトで

今は笑顔で進んでゆくんだ

飛べない空はドコにもないから

そう、若人はいちいち正解かどうかなんて確認しなくていいんだ!

純粋なエネルギーで、突っ走れ!!

若者の可能性に不可能なんて存在しないんだ!

「飛べない空はドコにもないから」……う~~ん、いい歌詞だ!

オレもこんな言葉を人前で言ってみたいぜ!

だがオレのような、野暮ったい男が言っても気持ち悪いだけか……。

この言葉を発して締まるのは、紅の豚ぐらいか。

 

長い長い時間の中ではきっとね

泣いたり傷つくこともあるけれど

絶対諦めたりなんかしない

そして夜空の下待ち詫びてる 夢見た素敵な世界

現代の社会問題にいじめがある。

特に学生時代のいじめは心に大きな傷を負う。

誰に相談すればいいのかも解らないだろう。

そんな時この曲を片霧烈火の曲を聴いてくれ!

そして勇気が湧いてきたら、片っ端から信頼できる人に相談するんだ。

信頼できる人がいないなら誰でもいい。

100人いたら15人くらいは、真剣に話を聞いてくれるはずだ!

他人の力を借りながら、未来は自分の手で切り開くんだ!!

そうすれば必ず「夢見た素敵な世界」が待っているさ!

そのあとは、君が誰かを助ける番になるんだよ!

歌には誰かを救うパワーがある!

筆者の場合は片霧烈火さんの歌がそうだった。

みんなもそれぞれ、魂が震えるアーティストに巡り合ってほしい。

 

大切な絆をくれたあなたに いつかこの思い届くといいな

今日も太陽が昇ってくれば 楽しい一日がまた始まるの

一日が楽しいと思える青春の日々……。

こんなに素晴らしいことはないっ!!(涙

「始まる」の語尾が「の」なのも、乙女っぽくて

キュンキュンします!!!

 

若人の弾ける気持ちを表したような、エレキギターのアウトロで

この曲は閉幕する。

楽しく輝かしい青春時代も、やがて終わりがやってくる。

それでもその時代に感じた、ときめきは失われない。

そのときめきを胸にしまい、次のステージへー。

飛べない空はドコにもないから

 

アシタのミライ

  • 片霧烈火の歌声が美しい      20点
  • 飛べない空はどこにもない     18点
  • 歌詞が良すぎる          16点
  • 弾ける青春時代          13点
  • CD同日発売「烈火記念日」    10点
  • 飛ばない豚はただの豚         1点

78点

片霧烈火 名曲#002 アルカディア・パレード

アルカディア・パレード

作詞 片霧烈火 作曲・編曲 藤田淳平

 

口笛が吹かれるイントロから、

常夏に惑わされ いざ行かんっ!

永遠に踊れアルカディア・パレード!

この出だしで始まる楽曲、アルカディア・パレード

紛れもなく名曲である

 

常夏・ヤシの実・青い海・赤道直下・熱帯雨林、などの作詞の中に

登場する単語から、熱帯気候のいずこかの地域をイメージして

歌われた曲のようである。

赤道直下で 今日も目指すわ 独裁三昧

そしてこの曲の主人公は、ある国の独裁者のようだ。

 

逆らうならおやつ抜きよッ? キラメキのマイ帝国 栄光あれv

しかし独裁者といっても、利権を貪り腐敗した国政を行い、国民を

虐げるような悪人ではなさそうだ。

ただ、わがままで自分勝手なお姫様が傍若無人に振舞っている、ある国を

描いた歌のようだ。

そう、逆らわなければおやつが支給される、臣民にとってありがたい

王女と国なのだ。

 

そして片霧烈火の、このフレーズの歌い方というか歌詞のくぎり方が、

とても素晴らしいので解説していこう。

「逆らうなら」のフレーズ、普通はこの一文でくぎるのが通常だろう。

ところが片霧烈火の歌い方は「さ~か~ら~(ここで区切る)う~

な~ら~」と、かなり特殊な歌詞のくぎり方をしているのだ。

約20年前、宇多田ヒカルがすい星のごとく音楽シーンに現れたとき、

ある著名な音楽評論家が、宇多田ヒカルの稀有な才能のひとつに

凡人では発想できない歌詞のくぎり方を挙げて力説していた。

聞いているか? あのときの音楽評論家。

宇多田ヒカルに、負けずとも劣らない歌詞のくぎり方をしている

逸材がここにいるのだ…。

 

姫はイ・ツ・モご所望ッ! 金よ! ご飯よ!

この文章を書く際、初めてこの歌の歌詞カードに目を通したのだが、

今までご所望の部分をコショウを、って歌っていると思っていた。

コショウが貴重だった中世の時代の姫で、コショウが好物の設定

だとてっきり思い込んでいたよ…。

 

歯向かうなら草むしりよッ? トキメキのマイ帝国 繁栄あれv

帝国の独裁者に一臣民が歯向かえば、通例なら軽く済んでも銃殺刑

免れないだろう。

ところが国家転覆を企てた輩にも、草むしりで許す王女の慈悲深さで

ある。

この王女の臣民に対する姿勢が、帝国の栄光と繁栄の理由であろう。

その代償に臣民は、姫に絶対服従を誓わなければならないのだ。

ひざまずけ下僕たちッ! 陽が沈んでも!

 

やりたい放題できる、この帝国はまさに姫にとって理想郷。

唯我独尊に 傍若無人 何がいけないの?

全てが叶えられる だってワタシだもんっ☆

姫からみて、この世のすべてが思うがままに動く根拠、それは

自分自身がそういう存在だから。

この世があって私が存在するのではない、私があるからこの世が

存在するのだ。

姫のこの世を謳歌する舞いは永遠に終わらない。

永遠に続くアルカディア・パレード!

 

アルカディア・パレード

  • 片霧烈火の歌声が美しい      20点
  • 歌詞のくぎり方が秀逸       17点
  • 宇多田ヒカルと双璧        14点
  • 一日中ひざまずけ         10点
  • だってワタシだもんっ       15点
  • コショウではない          -5点

71点

片霧烈火 名曲#001 why, or why not

why, or why not

作詞 interface 作曲・編曲 大嶋啓之

 

物悲しくも美しいイントロから始まるこの曲、紛れもなく名曲である

歌うのは、神の如き美声の持ち主、片霧烈火(女性)である。

この曲は、アニメ「ひぐらしのなく頃に」のED曲として起用されており、

歌詞がアニメの内容とリンクしている。

そもそも、「ひぐらしのなく頃に*1は同人ゲームとして人気を博した作品で、

その後、さまざまな媒体にメディアミックス展開されたものである。

曲を歌う片霧烈火もまた、同人界の歌姫としてその界隈では名を馳せており、

同人から始まった作品のアニメ化の主題歌を、同人出身の歌手がメジャーデビュー

曲として担当する、運命のような巡り合わせとなった。

全編英語詞で作中人物の心情を歌う

To get my happiness I had done everything,

but had done nothing to be blamed and accused of.

ゆっくり語りかけるようなAメロの歌詞、幸せになるために悪いことはせず、

努力を惜しまず頑張った。

I was a believer in life to be myself always,

Bメロ、常に自分らしく生きることで信じていた。

Give me a reason why not to adopt in this way,

サビ、なんでこれで幸せになれないの!

 

この訳は直訳ではなく、この歌の歌詞は、こういうことを言い表したいのでは

ないかという、自分なりの解釈である。

1番の歌詞は、おそらく「ひぐらしのなく頃に」の登場人物、竜宮レナの心情を

表したものだと思われる。

 

善良に生きていれば幸せになれる。

幼少時代、誰しもそう教えられてきたはずだ。

が、現実はそうではない。

他人に優しい良い人が、悲惨な事件に巻き込まれたり、自分勝手で迷惑な人間が、

幸運を手にしたりしている。

そんな理不尽への怒りは、超常的な存在(神さまなど)に訴えるしか、人間には

方法がない。

神のさじ加減でどうとでもなってしまう、人間の運命などちっぽけなものだ。

それでも人は皆、幸せになりたいと願う。

善良に生きることで、神さまから幸運を送られることを信じている。

だが、神は気まぐれである。

じゃあ、どうすれば良いのか?

どうすれば幸せな一生を手にできるのか?

 

Now what?  So what?  Don't you come interrupt me, oh please.

while I am interrupting myself.

だから何? それがどうしたというの? 私の幸せの邪魔をしないでよ!

 

1番はレナ、2番は梨花(「ひぐらしのなく頃に」の登場人物)Cメロ以降は、

レナと梨花の2人の、共通する心情を歌ったものだと思われる。

 

神が与える理不尽な運命になんて屈しないぞ。

私の幸せの邪魔をするなら神さまだって容赦しない。

自分の幸せは自分のやり方でつかんでみせる。

 

片霧烈火の麗しい歌声に乗って、レナや梨花の運命に立ち向かう力強い意思を

落とし込んだ歌詞が、同じく現実世界で理不尽な仕打ちを受け続け、打ちひし

がれる筆者にこのような解釈を連想させる。

 

why, or why not

  • 片霧烈火の歌声が美しい      20点
  • 歌詞が作中の人物の心情とリンク  18点
  • メロディが儚くも美しい      17点
  • 全編英語詩            15点
  • 同人ソフトと同人歌姫の競演    15点
  • 正拳突きで運命が決まる        3点

88点

*1:連続殺人、祟り、伝染病、児童虐待、精神病などてんこ盛りの怪奇ホラー。様々な伏線が張り巡らされるが、最後は正拳突きで全て解決する。